ホーロー 浴槽 サビ 割れ 修理
いつもお世話様です。
今回は、ホーロー浴槽の再生塗装工事を施工させて頂きましたので事例としてご紹介させて頂きます。
(施工前)
表面のガラス質が、クモの巣状に広範囲に広がって割れてしまっています。サビも気になります。
釉薬をエッチング処理後、グラインダーにて表面を削り込み、セオリーに沿って耐水耐熱パテの使用で修理スタートです。
が、毛細血管の様に広がった目に見えない細いクラックが、フランジ部分にまで達していて、時間が経つと脆くなった陶器質の層が「ポロリ、ポロリ」と落ちてきます。(オーノー!)
ホーロー浴槽の再生塗装も数多く施工してきましたが、このケースは初めてでした。
パテによる修理ではこの問題は解決出来ない。セオリーが通用しません。むむ・・じゃぁ今回はアレで直します!
既製品のパテを一切使用しない「樹脂応用工法」で修理の方法をガラリと変えました。
グラインダーで下地(鉄)部分が出てくるまで陶器質の層をさらに削り込み、そこから「接着」の段階を踏んで進み、〇〇〇×××で修理していきます。いわゆる鉄ライニングです。
施工後です。母材との「接着界面」の問題もクリアーして、違和感なくきれいに再生です。
(施工後全体)
お客様にも大変喜んでいただきました。
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「浴槽塗装」という仕事には、地域性のようなものがあるのかもしれません。
長野県は、内陸性気候とはいえ、他の内陸県と比べても特に冷え込みの厳しい地域です。冬場の最低気温は東北地方の寒冷地と比較してもそう変わらない日が続いたりもします。
無論、鉄物(ホーロー浴槽、ステンレス浴槽)の母材はかなりの温度まで冷たくなるために、お湯を張った時の温水との「温度勾配」は必然的に高くなります。
寒冷地仕様のボイラーも多く、管内の凍結防止のために朝までのため湯は必須です。ため湯に関しては、節水、また震災に備えて貯水の問題も軽視出来ません。
厳しい条件下(寒冷地など)で問題を起こさないように修理、施工するには、セオリーと呼ばれる一線からさらに奥く深く潜り込んで追求する必要があります。1つだけの方法で、劣化したすべての浴槽を修理することは出来ません。劣化状況に合わせて、最適な修理方法を選択できるバリエーションも大切です。
再生した浴槽・浴室を長く大切に使っていくうえでも、金額的な比較だけで浴槽塗装の業者選定をすることはあまりおすすめ出来ません。
ハイレベルな修理方法、安心・安全な施工方法の追求にはこれからも惜しまず努めていきたいと思います。