ホテル ペンション FRP 大型浴槽 修理
ホテルの大型浴槽の修理、再生塗装工事に小谷村まで。同じ長野県内でも上田からは車で2時間ほど。
ホテルの目の前にはスキー場が広がり、夏まっさかりのこの時期でも下界と比べるととても涼しく、静かなところでした。
大型のFRP浴槽が2つ。床面の強度が弱くなり、歩くとブカブカとたわみます。水勾配もくるってしまっているため、床面真ん中あたりに大きく水が溜まります。
男子浴室の浴槽は、まだ状況としてはひどくなかったので、一部水が溜まる部分だけをライニング処理して、ハンドレイアップで水勾配を・・・とも思いましたが、根本的に修理したことにはならないと思い、既存床の上から新たに床を作成することにしました。
全体的な水勾配も新しくしっかりと確保します。
(女子浴室浴槽床面 施工前)
問題は女子浴室の浴槽でした・・・。歩くだけで「ビシッビシッ」と音がして、水を流すと魚が元気に泳げるくらいに水が溜まります・・・(涙)。
下地の造作には、日頃からお世話になっているO大工さんと。とても良い仕事をして下さる、頼りになる優しい方です。(自慢)
Oさん 「女子の浴槽、男子の方と同じってわけにはいかなそうだな・・・。」
私 「そうですね・・・。最悪切り取りましょう・・・。」
Oさん 「・・・グラインダーあるの?」
私 「最悪を想定して持ってきてあります・・・。」
Oさん 「そっか、よっしゃ切り取ってみよ~(大涙)。」
私 「オペしましょうか~(大涙)。」
というわけで、ギュイーーンと。問題個所を問題のまま次の工程に移行しても、お客さんにご迷惑をかけてしまう結果につながるだけですし。
切り取る前に不安要素はいくつか・・・。土間打ってあるよね・・・? まさか石が敷き詰めてあるだけ・・・? 土間を打ってあるにしても深さは・・・?
ドキドキ感満載で切り取ります。雑誌の袋とじみたいに・・・。
バリバリ~!!!っと・・・。
幸い、土間打ちしてありその深さも深すぎず一安心。ただ、漏水でビチャビチャ、土台の木は、完全に腐っていましたけどね・・・(大涙)。シロアリなんかの類が発生していなかったのは幸いでした。
新しく土台として使う木には、湿気、菌による腐食を防ぐための処理を施し組み上げていきます。
毒性の強い成分を含んだ防腐材は使用しません。耐水コンパネを2枚重ね、水勾配も確保して下地完成です。びくともしません。O大工さん流石です。
そこからは、R部分の作成と、ガラスマットと樹脂を併用しライニングしていきます。全行程6層まで積層し、強度を完璧に作り出します。
その後の面だし作業には、既製品のパテの類はほとんど使用していません。
十数年前に1度塗装を施してあるとのことで、旧塗膜撤去後にコーティングです。
(再生後の女子浴室浴槽の床面です。)
(男子浴室浴槽、コーティング施工後)
単に「浴槽塗装」と言っても、その作業には劣化の状況に合わせた修理方法に応用力がもとめられます。
長い間、安心してご使用いただける修理、補修、コーティングを心掛けています。お風呂のお悩みございましたらぜひご相談下さい。